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「とろろ」は山芋や長芋をすりおろしたものの総称です。ビタミンやミネラルが豊富に含まれ、まさに地の恵みといった食材です。
ご飯にかけて良し、まぐろにかけて良し、お蕎麦にのせても美味しいし、お好み焼きにもそっと入っています。
「日本を代表する食材たちの良きパートナー」と言えるでしょう。
とろろは、あの「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんの好物でもあります。
とろろのネバネバの正体は「マンナン」と「タンパク質」でこのネバネバが体に良いとされています。
ところが残念な事に、このネバネバを作り出そうとする段階、つまり皮を剥いたりすりおろしたりしている時に、手がかゆくなるんです!口に入れた時に唇の周りをふち取るようにかゆくなるんです!
残念極まりない。これってどうしてなんでしょう?そしてかゆくなってしまったらどうすれば良いのでしょう?
今回はそんな事を書いてみたいと思います。
せっかくの「とろろ」にかゆみが出る理由と対策を大公開!!
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「とろろは大好きなんだけど、食べるとかゆくなるんだよね…」
と、せっかくのとろろを食べる事を躊躇するのは非常にもったいない!
そこで、「かゆくしている犯人」を公開しましょう。
そしてかゆみをやっつけましょう。
「かゆい」が止まらない理由:犯人は「シュウ酸カルシウム」
山芋をすりおろすと手がムズムズと痒くなり、それ以上山芋が触れなくなってしまう…
調理中にかゆみが出ると他のことに手が付けられなくなるほど辛いです。
ではなぜ山芋をすりおろすとかゆみが出るのでしょうか。
このかゆみが出る理由は、山芋の皮付近に多く含まれる
「シュウ酸カルシウム」
という成分の結晶が原因なのです。
この結晶は針のように尖った形状をしていて、
このシュウ酸カルシウムが山芋をすりおろすと組織が壊れ、
皮膚に突き刺さることで、刺激がかゆみとなって現れるのです。
これはアレルギー反応と似た症状が出ますが、アレルギーとは違います。
でも、数日たってもかゆみが引かない場合は病院で診てもらう事をお勧めします。
「かゆい」が止まらない子供とアレルギー
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大人は多少我慢できるかゆみでも、子供にとっては我慢のきかないものです。
そして一番怖いのが「山芋アレルギー」である可能性です。
そもそも山芋を触った時に生じるかゆみは「仮性アレルゲン」のしわざといわれています。
食品に含まれているヒスタミンなどの成分のせいで、
まるでアレルギー反応のようにかゆくなる時、かゆみを引き起こした犯人を
「仮性アレルゲン」
と呼びます。なので、山芋を食べて唇がかゆくなったら
山芋が「仮性アレルゲン」
になるわけです。ただ、仮性アレルゲンは
「アレルギー」
とは違います。なんだか紛らわしいですけれども。
確かにアレルギーとは違うのですが
「かゆみ以外の症状」
が現れたら一度アレルギー検査をした方がいいかもしれません。
主なアレルギー反応としては
全身のじんましん、目のかゆみ、鼻水、咳、喘息、血圧低下で顔色が悪くなる
などがあります。
特に食後2時間はアレルギー症状が出やすいのでお子さんの動向には注意が必要です。
またアナフィラキシーショックの場合もあります。
アナフィラキシーショックは、蜂に刺されたり医薬品によって引き起こされる場合もありますが
圧倒的に多いのは食べ物を通じて引き起こされる場合です。
免疫の弱い子供にとっては命に関わるので疑わしい症状が出たら病院に行くといいでしょう。
飲みこんでもお腹の中はかゆくならないメカニズム
山芋を食べた時に、口周りはかゆくなるのに飲み込んだ後の胃はかゆくなりません。
言われてみるとちょっと不思議です。一体どんなメカニズムなのでしょうか。
その秘密は胃の中にある
「粘液」にあります。
粘液にはセンサー(感覚器官)が備わっていないこともあり
飲みこんでも体内でかゆみの症状が引き起こされることはないのです。
かゆみの調理前対策
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山芋を調理する過程でかゆみが出るなら、調理前にできるかゆみ対策はないの!?
大丈夫、あります。先ほども書いた通り
かゆみの元である「シュウ酸カルシウム」
は皮の部分に多く含まれています。そこで
- 調理する時は皮を厚めに剝くこと…これを意識するだけで、食べた時に口のかゆみや調理中の手のかゆみを抑えることができます。
- 皮をむく前にまず山芋を流水で流しながら擦ること…ある程度のかゆみ成分が流れ落ちて、剥くときに手がかゆくなりにくいです。
- 皮をむいた後にラップで包んで冷凍すること…こうすると尖ったかゆみ成分が折れ、すりおろした時のかゆみを抑えることができます。
ただし、凍った山芋をすりおろす時に手が冷えて痛くなったり、
山芋自体が凍って滑りやすいので注意が必要です!
調理中にかゆみが出た時の対処法
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「調理前の対策を忘れてしまった」…なんておっちょこちょいな人も中にはいるかと思います(笑)
そんな人にオススメのかゆみ対処方もあります!まずは
- 「酢水で洗うこと」です。シュウ酸カルシウムは酸に弱い性質があるので一番ポピュラーな方法です。ただし手に傷がある時は、染みる場合があるので注意を。
- 次は40℃前後のお湯につける方法です。シュウ酸カルシウムは熱にも弱い性質があり、こちらの方法はぬめりも取れるので私としてはこちらをオススメします!ただ、湯につけた後は保湿をお忘れなく。
- 最後は米を擦って揉むやり方です。ちょっと特殊なやり方ですが、これで付着したシュウ酸カルシウムを取り除くことができます。しかしこのやり方はお米が無駄になってしまうのであまりいい対処法とは言えないかもしれません…
まとめ:「とろろ」のかゆみ対策をしっかりしよう
いかがでしたか?
食べる前にひと手間かけなければならないやっかいな食材でもある「とろろ」ですが
ひと手間かけるからこそ、よりおいしくいただけるのかも知れません。
かゆみを除けば、体に良い食材であることは間違いないので、積極的に摂りたいものですね!
とろろ活用レシピ①★「豚肉」と「とろろ」の鍋
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寒い時期にピッタリでボリュームもある鍋!野菜も採れて大満足間違いなしです!
【基本の分量】
- 豚バラ肉 1パック
- 白菜 1/4カット
- 人参 1本
- 大根 1/4本
- とろろ 1/2本
- 出汁
- かつおだし お玉10杯
- しょうゆ お玉1杯
- みりん お玉1杯
【作り方】
①人参、大根をいちょう切りにし、白菜はざく切りにして鍋に入れる
②とろろはかゆくならないように気を付けながらすりおろす
③出汁をあわせて鍋に入れ火をかける。野菜に火が入ったら豚肉を入れ、豚肉にも火が入ったらとろろを上からかけて完成!!
とろろ活用レシピ②★ とろろのだし巻き卵
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とろろが入ることによってふわふわに仕上がります!
【基本の分量】
- 卵 3個
- とろろ 50g
- 白だし 小さじ1
- 砂糖 小さじ2
- みりん 小さじ1
- 酒 小さじ1
【作り方】
①材料を全てあわせて混ぜる
②通常の出汁巻きと同じ方法で巻いたら盛り付けて完成!!