
コロナ禍で飲食業界は大きなダメージを受けてはいますが、本来の求人数はこのところ少しずつ増えており、就職市場は売り手側が有利になっているようです。
就職する側にとっては様々な企業に思い切ってチャレンジできるだけでなく、職業選択の幅が広がりとてもいい傾向といえます。
ですが、メリットばかりではなく、注意しなければならない事も、もちろんあります。
良い人材を獲得することは、企業にとっての生命線と言えますが、人材確保が困難になっていることから、簡単に採用を決める企業も多くなっています。
こうした状況下で採用が決まった場合「自分が価値ある人間だから採用されたのだ」という見方をする事は少々危険です。
企業側が本当に適性を見極めてくれているかどうか、疑問が残るからです。
仕事をはじめてしばらくしてから、適性面に問題があることに自分で気付いてしまう場合もあります。
とはいえ、人材採用において面接が重視される事に変わりはありません。
そこで今回は、人材採用において「企業側がいかに面接を重視しているか」という事について調べてみました。
これから就職活動をする人にも、彼らを面接する立場の人にも、必見です。
人材採用における面接の重要性
自分が企業に必要とされていての採用なのかを見極めるためのチェックポイントが2つあります。
- ある程度の責任のある人が個別で面接してくれるケースは期待大
- 履歴書に書いてある以外の事を、たくさん聞いてくれる
企業の採用試験には、大抵は最後の方で面接を行っています。
個別面接やグループ面接のほか、役員面接など様々なパターンがありますが、責任者クラスの人が個別で面接をしてくれる企業はきちんとした企業だと思ってよいでしょう。
大体は事前に提出している履歴書や、職務経歴書を見ながら話を進めますが、この時、履歴書に書いてあることをなぞるだけの質問であれば、少し注意する必要があるでしょう。
面接で話す内容が、履歴書を読めばわかる程度のことであれば、企業側が本気で有力な人材を探しているかは怪しいものです。
面接でいい人を見つけ出したいと企業が本気で思っているならば、履歴書を確認するだけの面接をする必要はありません。
真に会社にとって有益な人材を見つけ出したいと思っているならば、形ばかりの面接に終始するといったことは起こらないはずなのです。
面接官も教育されている

ジョブウェブが2014年度の就活学生を対象に調査した「面接官の態度が志望度に与える影響」によると、7割を超える就活学生が「面接官の態度が、その企業の志望度に影響した」と答えています。
面接官は就活生にとって「企業の顔」と言うべき存在です。
面接官側もそうした自覚が大いに求められるところです。
このため、企業の面接官も「質問力・話を聞く姿勢」の質の高さが求められています。
参照:面接官もスキルを求められている!面接官研修について?/マイナビ研修サービス
人材採用の面接では就活者の考え方を引き出せる質問をする事が必須
書類選考を経て面接にこぎつけた人は、その時点で会社が求める能力の水準を満たしているという事になります。
これらの人達をどのように見極めるかという事は、すべて面接にかかっています。
企業にとって必要かつ優秀な人材を選抜する為には「質問の能力」が欠かせません。
面接される側は当然緊張して面接の場に臨んでいます。
緊張をほぐしつつ、限られた時間で本来の姿を引き出すには、的確な質問を答えやすい雰囲気の中で投げかけていかなければなりません。
質問のポイントとしては面接対象者の「過去」「現在」「未来」と大まかに分け、価値観や就業した場合の希望、コミュニケーション能力などを見極めていきます。
入社してすぐ辞めていく人も多い昨今、自己管理能力なども見逃せない部分になります。
参照:d’sジャーナル編集部「面接を初めてやる人が知っておきたい質問例」
採用面接や人材育成には心理学の要素も必須

短時間勝負の採用面接において、素早く就活者の心を解きほぐして本音を語らせるには、心理学の要素を取り入れる必要があります。例えば
「意表を突く質問をしてみた」ときの反応として
- 〇落ち着きがなくなる
- 〇目をぱちぱちさせる
- 〇声が枯れる
などがあった時の回答は、本音ではないかもしれないというような事です。
あらかじめ質問しようとしている事に対して「こんな反応をした時は…あんな反応をした場合には…」という複数のケースを頭に入れておく必要があります。
それを念頭に置きながら自然に振舞うというのは、面接官にかなり熟練した技術が必要と言えるでしょう。
人材コンサルタントによる面接を活用する方法もあり
今は「人材コンサルタント」という業種が存在します。
「採用してもすぐ人が辞めてしまい、上手な採用の方法がわからない」
「繁忙期だけ即戦力が欲しいがじっくり面接をする時間がとれない」
などの理由で人材コンサルタントによる面接を通過した人材を採用する企業もあります。
人材コンサルタントは人材発掘のプロです。人材コンサルタントが見出した人がすぐ辞めてしまう、では人材コンサルタント会社の死活問題です。
あらゆる角度から就活者を見極め、企業の特徴と照らし合わせ、企業と繋いでくれることでしょう。
任せてみるのも一つの方法かも知れません。
まとめ:優秀な人材採用の為の面接官は自社でも外注でも良い

これまで述べてきたような「面接官のスキル」を自社で醸成出来れば言う事はないでしょう。
社内の雰囲気も心得ており、就活者とうまくマッチするかどうか、一番見極められるのは自社の社員です。しかし、なかなかそこまでの域には達しないのが実情です。
就活者も真剣に就職を希望し、苦労して書類選考を突破しているわけですから、面接官の印象のせいで企業のイメージが下がるのはとても残念な事です。
就職を希望してやってきた就活者達が無駄に心折れないよう、
「短時間で的確に多角的に」
面接をする事が出来る人間が面接を担当するべきなのは言うまでもないでしょう。